知られざるル・コルビュジェのプロジェクト『アジール・フロッタン展』

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これは、第一次世界大戦の混乱によって生じた女性の難民を収容すべく、世界救世軍の依頼によりル・コルビュジェが設計し、船を改造したもので、いまでもパリのセーヌ川に浮かんでいます。
戦時中は鉄は武器に優先的に使われたため、もともとコンクリート造の石炭を運ぶ船だったものを建築としてリノベーションしたものです。
客船を近代建築の理想的なモデルと考えていたル・コルビュジェが、箱型の船体に柱と屋根、水平窓を増築し,建築として再生させたプロジェクトです。
今もノートルダム大聖堂から1キロの左岸に係留されていますが、老朽化によりその機能を失っていました。
数名の有志によって修復工事が実施され、さらに日本から桟橋を寄贈し、2018年からギャラリー機能を持つ建築として使われる予定です。
これを記念して、ル・コルビュジェ財団から提供された完成当時の資料、設計のスタディ、現在の写真・映像、模型などを用いて紹介する、展示です。
8月19日に開催された、遠藤秀平氏、五十嵐太郎氏、マニュエル・タルディッツ氏によるトークイベントに参加してきました。
とても興味深い展示とトークイベントでした。(S.H)

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